【第2回目】~日本の家具産地~

どこの国にも職人と言われる方々がいますが、その中でも建築工法や日本人が持っている細部まできめ細かく作り込む繊細さは群を抜いていると思います。

そんな職人さんが日本には北から南まで得意分野を持って点在しております。

さぁ~家具の豆知識スタートです!!

 

それでは【第2回目】のお話です。

《~日本の家具産地~》

その前に予備知識として覚えておいてもらいたい事があります。

それは、日本の木材自給率!!

昭和30年頃を100%とすると、60数年経った平成29年は自給率36.1%。

これには大きな変化があったということです・・・。

 

そもそも日本は2/3が森林で覆われた国です。

森林大国ですが、輸入木材に頼ってしまっているという現状があります。

 

昭和39年の木材輸入自由化に伴い、家具の加工や美観が美しい広葉樹(ウォールナット・オーク・ビーチ・マホガニー・チークなど)が海外から日本に入り人気を博し、それに押され国産材の生産が減少しています。

日本ではそれによって林業に従事する者も減少し、植林した山林は手が行き届かなく(太陽光を入れるための間伐が減少)なり野放しになり、樹齢30年を境に増え始める杉やヒノキの花粉が日本列島を覆います。

※植林について・・・基本苗をある程度の間隔で植えていき、その中で自然環境に淘汰されることが往々にあります。その中で生き残った苗だけがすくすくと成長して樹木となります。

 

一方、海外の丸太は輸出規制(アメリカ・インドネシア・マレーシア・カナダは余剰分のみOK・ロシアは関税が高いことから実質的に輸出規制)をしていることから、製材(完成家具・加工材・パルプなどの燃料材など)された海外の木材が継続的に日本に入ってきています。

 

下記の図グラフをご覧頂く通り、最近では36.1%(平成29年)と自給率も上昇しています。

その要因としては、林業のハイテク化が進み、機械が進化を遂げ人手が掛かる大変な作業もスピーディー且つ正確になっています。そうすることで、間伐作業が進み山林が豊かに育ち、間伐材の利用が増加しています。

もう1つの要因としては、ロシアの実質的な輸出規制(関税が高い)があり、その分国産材の利用が増加し自給率を押し上げています。

※出典「林野庁 平成30年9月28日「平成29年木材需給表」の公表について」

 

日本の人工林は針葉樹(生育が早い)がメインで植林していた為、品質の劣る安価な杉やシナは中国に輸出されています。

近年では広葉樹(ゼンダン)の国内生産にようやく着手したところでこれからが正念場といったところ。

※センダンは、生育が早く直径30~40cmの木材として利用できるまで15~20年。

生育が早いとされる針葉樹の杉やヒノキは植えてから直径30~40cmの木材として利用できるまで40~50年かかります。

このようなことから国の施策としては、「森林・林業再生プラン(農林水産省/ 平成21年12月)」を策定し、「10年後の木材自給率50%以上」を掲げて国産材の利用強化を行っています。

 

 

日本の家具五大産地は下記の通りです。

それぞれ職人さんが日々研鑽してその技術が家具に昇華されています。

出典「三波家具」

 

■旭川家具・・・大型洋風旭川家具家具が主流(北欧モダンやスカンジナビアンデザインなど流曲線が得意)。

■静岡家具・・・漆塗りや桐ダンス、唐木仏壇が主流(普遍的なデザインが得意)。

■飛騨家具・・・曲げわっぱ技法による脚製造技術力(イスなどのデザインと強度の担保が得意)。

■府中家具・・・タンスの婚礼家具セットのハシリ(木材の事を知り尽くしたキメの細かい仕事が得意)。

■大川家具・・・日本一の家具生産地域、婚礼家具で一世風靡(ありとあらゆる家具の製造と協業が得意)。

 

この家具産地が発展した大きな要因を紐解くとそれは川と山の存在が不可欠です。

出典「国土交通省 関東地方整備局 利根川上流河川事務所」

 

五大家具産地があるところには、必ず川が存在します。

旭川家具には石狩川。

静岡家具はイレギュラーです。徳川三代将軍家光公が浅間神社を造営した時、全国各地から集められた漆工や大工、指物師、彫刻師などの職人たちの多くが造営後も駿府に定住。また、気候が漆芸に適していたため、漆器づくりが盛んになったと言われています。

飛騨家具には飛騨山脈と飛騨川。

府中家具には中国山地と芦田川。

大川家具には筑後川。

 

※出典「大分県日田の筑後川木流し「筏流し(いかだながし)」

 

五大家具産地があるところには、必ず山が存在します。

出典「日本の地形」

 

旭川家具は日高山脈と天塩山地と石狩川。大川家具は筑紫山地と筑後川のように対になっています。

車を持ち合わせていない時代、原木は陸路で運ばれるより水路で川上から川下へ筏流し(イカダナガシ)で運ばれていました。

山のない下流地域の消費地に川を使って大量の木材を運ぶのに合理的でした。

山があり川があり木材を運ぶルートを持ち合わせているからこそ、その産地が形成されます。

 

今では、利便性の高い平地に家具メーカーも集まり、山間部家具工場を開いているメーカーは少なくなりました。

メーカーもそれぞれ得手不得手があり、脚物と言われるイスが得意なメーカーもあれば、箱物と呼ばれるタンスが得意なメーカーもあります。

それぞれ製造する機械や工程が異なり、最終的には人の目や感覚で精度を出す職人肌なところがあります。

蓄積されたノウハウや技術が革新され、日々新しい家具達が生まれています。

 

 

ここまでお読み頂きましていかがでしたか?

素直に「そ~なんだ!」「なるほどね!」と思って頂けましたら幸いです。

 

第3回目は【~森林の発達と木材の種類~】です。

身近に感じられるように「だからそーなんだ!」というようなお話になっておりますので、お楽しみにお待ちください!

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